| 数千年の歴史を持つ草木染めは、人類が「染める」ということを始めた頃は露草の花びらの「青」や、くちなしの実の「黄色」といった色素を、ただ単に擦り付けて染めるだけの簡単な物だったと考えられています。 |
| 触媒を使用した高度な染色は古代エジプトの頃には既に行われており、ミイラが着ていた衣服も触媒を用いた「藍」などで染められていました。 |
現在は触媒を用いた染色が一般的です。
もともと草木染めは、植物の成分によって抗菌・脱臭などの効果も得られ「人に優しい染色手法」としても知られてきました。ところが一般のアパレル製品に使用するには染色堅牢度(注1)に問題があり、また生産性も低い為、個人で楽しむハンドクラフトの粋を出ず、廃液による汚染もあり、実用性・生産性・廃液問題から工業化が難しいとされてきました。
今回ご紹介の「ナチュラルダイ」はシオンテック社(本社・東京)が20年以上の年月を掛けて開発した染色方法で、従来の金属性触媒よりも結合力の強いカチオン性バインダー(図1)を使用することで、天然色素を強固にかつ効率良く繊維に付着させる事に成功し工業化を可能にしました。 |
| 注 1. |
染色堅牢度:染色された繊維の色の耐久度のこと。数値が高い程、色落ちしにくい。 |
ナチュラルダイは当初、以下の方策を採ってきました。
a.「アンデス物語」(蝶理オリジナル超長綿(注2):ペルー・ピマ超長綿)コンパクトスピン糸使いの素材に限定し、蝶理完全オリジナルによる差別化を図りました。
b.シオンテック社により、蝶理が提案する春夏物トレンドカラーをナチュラルダイの手法を使い、綿・桑・ベニノキ・クロコショウ等、南米にルーツを持つ植物色素で表現できました。また、シオンテック社により天然色素のネックであった量産加工に対応可能な南米の色素収集ルートの確立と国内における天然染料調合工場を整備しました。
現在は扱い素材をウールにまで広げ、扱い色素も植物だけではなく鉱物にまで広げ、藤や山桃といった日本古来の天然色素も含めて、約700色にも上る微妙な色目も表現できるようになりました。 |
| 注 2. |
超長綿:繊維の長さが13/8インチ以上の綿のこと。繊維が長くて強く、光沢がある高級綿。 |
| 注 3. |
LOHAS:健康と環境、持続可能な社会生活を心がける生活スタイルのこと。1990年代の後半にアメリカの中西部、コロラド州ボールダー周辺で生まれた新しいビジネス・コンセプトです。 |
| 12月5日、6日に青山ベルコモンズで行われた「蝶理・繊維総合商談会」にも「ナチュラルダイ」は大々的に出展されました。今回初めて日本古来の植物からの染料で染めたものが紹介され、非常に好評を博しました。以下はそのときの様子です。 |